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トランスジェンダーサポーター(およびジェンダーニュートラルな対話をこころがけたい人)のためのヒント集

<紹介>
こちらはアメリカにあるマサチューセッツ工科大学の Trans@MITというウェブサイトにある資料を翻訳および加筆したものです。こちらは同大学のトランスジェンダーの学生および職員へとサポートや、サポートする人向けの資料やワークショップを行っている機関です。ホームページはhttp://web.mit.edu/trans/。
話をしている相手やその場にいない人を話題にする際に気をつけたほうが良いと思われることが書いてあります。これまで生活で当然としてきたことが当てはまらない場合、また「知らないから」という反動から何でも聞けばいいのかという問題にも触れています。
もちろん、これを読めばトランスジェンダーのことがよくわかるとか、性別にまつわる不都合が解消するというものではありません。それぞれが作ろうとする「平等」に恐れず近づくための一歩として読んでいただければと思います。(G)


★以下は、トランスジェンダーを支援する人(*)として行動するためのヒント集です。
もちろん、このヒント集はあらゆる「正しい行動」をもうら(網羅)するものではありません。それぞれのケースに合った答えを見つけるのは簡単なことではないためです。これはどう行動するかを考えるための土台のひとつとしてお役立てください。
★トランスジェンダーの人々と接するときにかぎらず、あらゆる立場の人とかかわる中で、性別規範にとらわれない形で交流を試みるためのヒント集としてもつかうことができます。

*(訳注)原文では(Ally)アライ:本人がトランスジェンダーではなくでも、当事者が抱えさせられる問題に取り組み協力する意思のある人を指します。なお、「支援する人」という固定した立場を作ってしまうことによって「関りかた」の問題が解消してしまうような印象を与えると思います。訳・編者としてはこの資料を「安全地帯」を見つけるためではなく「関わり方」を問い続けるために使っていただくことを望みます。


★誰がトランスジェンダーであるか/そうでないかを言い当てることが出来ると思わないこと
トランスジェンダー/トランスセクシュアルの人々はみな特定の格好や特徴をしているわけではないし、生い立ちや文化的属性もさまざまです。多くの人は「明らかなトランス」には見えません。実際に、多くのトランスの人々が、自分のまわりにトランスであることを知る人間が少数しかいない状態で暮らしています。

★トランスの人の性的指向についてについてあれこれ推測しないこと
ジェンダー・アイデンティティは性的指向とは違うものです。性的指向は自分がどんな人/物/事に魅力を感じるかということです。ジェンダー・アイデンティティ
とはどのようにして自分のジェンダーを知る(定義する)かということです。トランスの人々はたとえば同性愛者(ゲイ、レズビアン)、異性愛者(ヘテロセクシャル)、両性愛者(バイセクシャル)、または非性愛者(アセクシャル/性的魅力を体験しない、性的衝動と性的魅力を関連づける必要を感じない)である場合があります。

★守秘義務 、秘密の公表 、「アウティング」には注意しましょう
他人に自分がトランスであることを公表することをかまわないと思う人もいれば、そうでない人もいます。ある人がトランスであるということは個人情報であり、他人に教えるかどうかは本人が決めることです。その情報を簡単に他人に教えたり、トランスだと知っている、あるいはそうあなたが思っている人について誰かと噂をしたりしないこと。これは単にプライバシーの侵害であるだけでなく、ジェンダーの違いについて不寛容な世界では悪い結果を及ぼすことがあります。たとえばトランスの人々はトランスであると知れただけで仕事や住居、友人を失ったり、悲しいことに殺されたりもしてきました。

★レズビアン、バイセクシュアル、あるいはゲイ(LBG)として「カミングアウトする」ことと、トランスとして「カミングアウトする」ことの違いを理解しましょう
LBGと してカミングアウトするということが、その人の性的指向について「本当のこと」を公表するということになる一方で、トランスであることを公表するのはその逆の結果を生むことが多いものです。トランスであると公表してしまうことで、聞く側はその人がもともと生まれたときの性別の一員であるということが公表された「本当のこと」だと考えてしまうのです。別の言い方をすれば、「カミングアウト」することで、トランスしている本人が現在生きている性別やジェンダーとして認識されることが難しくなってしまうことがあるのです。
(訳注:たとえば「男」としてみられていた人の場合、FTMトランスジェンダーだと公表した途端、以前よりも「女」として意識されるようになってしまうということ。)

★公共の場での反トランス的な言動や冗談を容認しないこと
教室、職場、その他のあらゆる組織における反トランス的な言動とうまく対決する方法を考えておきましょう。トランスの人々やジェンダー表現の多様性を支持する意思を表明するのによい場面を見計らって抜け目なく発言し、あなたのその行動をサポートする他のアライを探して見ましょう。

★どの人称代名詞を使えばいいかわからないときは、本人に聞きましょう
どの人称代名詞(訳注:「彼/彼女」など)で呼ばれるのがよいかを尋ねるときは、丁寧に、尊敬を忘れない態度で聞きましょう。
その後はその本人が望む人称代名詞を使用し、他の人にもそうするように働きかけましょう。
(訳注:日本語よりも英語の方が「彼/彼女」などの人称代名詞を使うことが多いので、同じようにはいきませんが、「彼」とも「彼女」とも呼ばれたくない人もいます。そのときは人称代名詞を使用せず、本人が呼ばれたい名前 -通称や、あらたに人称代名詞を造語する- などを使用することができます。本人が答えてもいいという状態の時-時間がかかるときは前もって「いま聞いてもいいか」と尋ねる方が丁寧です。- は、細かく相談することも必要です。)

★ジェンダー・アイデンティティが不明な人 (クエスチョニング)に対しては気長に
自分のジェンダー・アイデンティティが不明な人は、自分にとって一番しっくりくるジェンダー・アイデンティティまたはジェンダーの表現方法を見つけるごとに行ったり来たりを繰り返すことがあります。たとえば、新しい名前や人称代名詞を選んだ後にほかの名前や人称代名詞に変えるかもしれません。そうした自己認識のへんかん(変遷)についても尊重するようこころがけましょう。本人がのぞむ名前または人称代名詞を使うようにしましょう。

★トランスの人がどの「カテゴリー」や「アイデンティティ」に属するかを外野の立場から説明しようとするのはやめましょう 
本人が選んでもいないアイデンティティや分類を当てはめようとしないこと。本人がどのアイデンティティや道が自分にとって一番しっくりくるのかはっきりしていない場合は、自分で決めるまで急かさずにまちましょう。

★手術やホルモン投与などをトランスの人が選択するかどうかを推測しないこと そしてあるやり方をほかのものより良いと評価しないこと
トランスの人々を含む私たちが、ジェンダーの境界を越えるために取るあらゆる方法を肯定しましょう。その中には身体を変えるための医療技術も含まれます。
トランスの人の中には手術やホルモン投与を経ずに自分の選んだジェンダーとして認識されたいと考える人もいますが、その一方で、本人が尊重される医療、ホルモン投与、または手術を受けるために協力や仲裁を必要とする人もいます。

★トランスの人にその人の「本当の名前」を聞かないこと
トランスの人々においては、生まれたときに付けられた名前や公的書類などに記載されている名前と結び付けられることが途方もない不安をよび起こす元になったり、その名前は過去のもとして忘れたいと考える場合があります。本人が現在使用している名前を尊重しましょう。

★トランスの人の生殖器や手術の状態について尋ねないこと
逆の場合を考えてみましょう。非トランスの人々に生殖器について尋ねることは通常適切ではないとされています。ですからトランスの人についてその質問をするのも同じく適切ではありません。同じ理由から、トランスの人に「手術」をしたかどうかを聞かないこと。本人がその話をしたいという場合は、その人自身が話題にするまで待ちましょう。

★トランスの人にどうやってセックスするかを尋ねないこと
上の質問と似ていますが、非トランスの人々にどのようにセックスをするかと聞くのが適切とされないのですから、トランスの人々に対しても同じ礼儀をもって接するべきです。

★公衆トイレの性別隔離政策に介入すること
ジェンダーヴァリアントな(訳注:典型的な男女ではない/別様なジェンダーを持つ)人々が洗面所の表示や、あなたの想定と一致しないかもしれないということを認識しましょう。学校や会社などの公共の場所にユニセックスのトイレを取り入れるように働きかけましょう。そして同伴者がいることで個人攻撃がされにくくなるという効果が期待される場面では、トランスの人々と一緒にトイレに行くことを申し出ましょう。

★支持するための努力をしないで「T」を付け加えることはやめましょう
「LBGT」は今やlesbian, bisexual, gay,transgender(レズビアン、バイセクシュアル、ゲイ、トランスジェンダー)の略語としてよく使われています。トランスジェンダーのサポーターとなるには、
レズビアン、ゲイ、バイセクシャルの人々は自分自身のジェンダーステレオタイプ(思い込みにもとづく性別の類型化)やトランスの人々への偏見や恐れを見直し、進んでトランスの生き方を守り、祝福する必要があります。

★アライ(サポーター、支援者)としての限界を知りましょう
知らないことを恐れずに認めましょう!トランスの人がサポートや案内を求めてあなたの元へ来た場合、自分の知識やできることに限界を感じたときにはかならず適切な資料や人を紹介するようにしましょう。間違った情報や問題のある情報を与えてしまうよりも、自分は知らないということを認めるほうがいいのです。

★トランスの人々の声を聞きましょう
アライになるための最もいい方法は、開かれた気持ちでトランスの人々自身の声を聞くことです。みんなそれぞれの人生のエキスパートなのです!まわりにいるトランスの人と話をしましょう。本や映画などからも学びましょう。

(翻訳・加筆・編集:グレフル + A-menace collective)

http://femqueerunit.wordpress.com/


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